1.はじめに
とても、充実したインターシップを過ごすことができました。インターシップでお世話になった全ての方々に、感謝の気持ちで一杯です。
このインターシップに参加するにあたり、以下のような大きな研究目標を立てました。「中国やインド、また、他の東アジア諸国の発展など、日本を取り巻く環境は急激に変化している。その中で、日本は翻弄され、その大きな流れの中に、乗り遅れているのではないかと、思わざるをえない時がある。私は、現状はどのようになっているのか、問題は何か、それに対して何をすればいいのかを、積極的に考えていきたいと思う。このインターシップでは、今最も経済的に『熱い』地域を見ること、経験することによって、いま何が起きているのかを現場で考えてみたい。これが、大きな目標である。」
実際に、現場に行くことによって、五感で、最も経済的に「熱い」地域を体験することができました。この感想文では、もちろんですが、そこでの経験をもとに、書いていくことにします。
2.「新しく」「遅れている」中国と、「つながり」
実際に、現場に行って見たことをここでは書いていくことにします。ここでは、2点指摘します。
1つ目は、「遅れている」と、同時に「新しい」ところが、混在していたのが印象的であった。タクシーで、テクノセンターに向かう途中までは、きれいな高速道路を走っていたのだが、ふっと見ると、舗装されていない道を走り、テクノセンターに到着となった。その落差に、最初は、驚くことになる。その道の端には、ゴミが捨てられ、ゴミ収集所近辺は、悪臭がひどい。ゴミを、そこらへんに捨てないという道徳観念が、まだ、広がっていない状況であった。近隣の店の前に、テレビが置かれ、オリンピックの閉会式を、50人程度の人が見ていた。かつての日本も、こういった景色があったのだろうと、思いながら、見ていた。以上、実際に行って、「遅れている」と思ってしまうようなことは多かった。私は、戦後の日本の歴史を勉強しているため、かつての日本もこうだったのかなと思いながら、こうした様子を眺めていた。
「遅れている」とか、かつての日本の様、とだけ言うのは簡単であるが、実際は複雑である。滞在した寮には、インターネットルームがあり、そこには大量のインターネットに接続しているパソコンが置かれている。多くの人々が、ネットゲームをしたり、動画を見たりしている。一緒に働いた工員の方々は、休憩時間に、携帯電話を取り出して、音楽を聴いたり、動画を見たりしている。職員の方々は、休憩時間に、メールのチェックをして、メルマガを読んでいたりして、そこに添付されているコメディー動画を見ていたりした。ある意味、こうした「新しさ」は、私にとっては、驚きである。もちろん、前に上海に行ったことがあり、そこでも、「遅れている」部分と「新しい」部分が混在しているのを確認した。でも、今回は、より現場に近づき、そうした「新しさ」が生活の中に、不可欠な要素として定着していることを見せつけられたことが、私に、驚かせることになったに違いない。
現場に行くことで、初めて、こうした「遅れている」部分と「新しい」部分が混在しているという事実を理解することができた。こうした「遅れている」けど「新しい」という事実は、明らかなことなのかもしれない。しかし、近代日本の歴史を考えた時に、東アジアで最初に近代化に成功した日本は、他に対して、「遅れている」としてきたという事実がある。そして、そうした感覚が日本人全体に、今でも、根強く存在しているように、私には思われる。こうした日本の思想的な背景を考えた時に、こうした「遅れている」けど、「新しい」という複雑な現実を、現場に行って見て・感じて・考えることができたことは、その地域を理解するにあたって非常に重要なことなのではないかと、私は考えます。
2つ目は、「つながり」というのが、すごく意識された。この「つながり」というのは、日本と、この地域が「つながっている」とか、世界と「つながっている」ということである。
私たちがインターシップをしたのは、オリンピックの中頃からであった。現地の食堂とかのテレビでは、オリンピックの試合の様子が流されていて、多くの人々が熱心に見ていた。こうしたオリンピックを見るということは、テレビがある地域なら、世界中で行われていることである。同じものを世界中の人々が見ているのである。
こうしたことはテレビだけではない。インターネットでも、同じことが起きている。職員の方々と、日本語で、話をしていると、日本のドラマを見たという話になることがある。もちろん、不正ダウンロードであろうが、日本のドラマが、こうした地域においても、受容されている、つまりは「つながり」があるということは、驚きであった。
こうした「つながり」は、人まで広がっている。たくさん話す機会があった職員の方は、かつて、日本の外国人研修制度で、日本に1年間滞在したことがあったそうである。そこで、身につけた日本語そして日本の慣習を生かして、今は仕事をしているそうだ。日本では、外国人研修制度に対する批判が多くなされている。多くの問題を抱えた制度として、私は考えていた。今回、実際に話を聞くなかで、日本語を学べ、いろんな経験を積める、いいチャンスだったという話は、私にとっては驚きであった。なかなか、日本に行くチャンスがない中では、こうした制度でも、良いチャンスなのだということを考えさせられた。もちろん、働いていて、同じ仕事をしている日本人の給料と比較して3分の1程度だったということは知っていたようである。ただ、問題の多い制度であったとしても、これをチャンスとして捉えた中国人の人々が、日本で経験を積み、そして、中国で日系企業で、日本語を生かした職員として働いているという「つながり」は、私には、驚きであった。きちんとした日本側の制度設計をしないといけないということを強く感じた。
「つながり」があるということを、指摘することも、とても明らかなことなのかもしれない。しかし、最近、政治の面では着実に進んでいる「東アジア共同体」を考えた時に、いわゆる「市民」レベルで、こうした「つながり」が着実に進行している、つまりは、価値の共有や創造を行っていくための基盤が存在しているということを確認することは重要なことなのではないか。こうした「市民」の側からの働きかけが、「東アジア共同体」構築への不可欠な要因と考えるからだ。もちろん、私が確認できたのは、日本からの一方方向の流れだけであるので、あまり、大きく言うことができないのも事実であろう。ここから明らかなのは、こうした「つながり」が上手くなされれば、日本と中国の関係というのが良くなる可能性を持っているだろうが、「つながり」が悪ければ、特に、上で確認した外国人研修制度のような場合は、日本が東アジアの中で、孤立してしまう、仲間に入れてもらえない可能性になるのではないか。つまりは、日本嫌いの外国人を作ってしまうということになってしまうと考える。
以上、2点確認してきたが、2つとも明らかなことなのかもしれない。しかし、それを、現場に行くことで、自分の五感で感じることができた。そのことが、私のこれまでの知識というのを、さらに、推し進めることを可能にしたように思われる。複雑な事実を、複雑なまま理解し、日本で、考えていたことを現場で聞くことによって、別の見方を可能にする。現場に行くことの重要性と、必要性を感じることができた。
3.インターシップの内容
ここでは、インターシップで行ったことについて書きたい。私は、日程のほとんどを、工場での実習に費やすことができました。私にとって、そこは、初めての工場の現場だったので、非常に興味深いものでした。工員の方に、身振り手振りで、教えていただきながら、仕事をしていました。同じ作業を、場合によっては、一日中、行っていました。最初の半分の日程は、8時から20時まで研修し、残りの半分の日程は、8時から17時15分まで、研修することにしました。
正直、肉体的にも精神的にも、苦しいものでした。同じ作業を、続けることは、慣れない私にとっては、本当に、厳しいものでありました。ただ、もちろん、ずっと、そこにいることによって、工場がどのように動いているのかについて、勉強することができました。
最も、印象的なのは、合理化の取り組みです。合理化というのは、仕事を楽に速くすることです。私が、仕事をしていると、工員の方が、いろんな道具を持って来て、より速く楽にすることができる方法を考えていました。職員の方も、工場に来て、合理化できる箇所を探していました。
工場での研修は、私にとっては、体力と精神の「修行」という側面が大きかったように思います。もともと、この両面の不足を感じていましたが、さらに、痛感することになりました。ただ、おそらく、こうした工場での経験を得ることができるのは、最初で最後だろうと思っていたので、このように工場で実習することが、できたのは、本当に、よかったです。
4.班のメンバー
楽しく過ごせたのも、そして、苦しいのを乗り越えることができたのも、「仲間たち」の存在が大きい。最初は、もちろん、不安でしたけど、徐々に、皆が、「本気で生きるため」の何かを探しに来ているんだということを知ることができて、すごく良い刺激を受けることができました。
5.結び
現場に行くことができた、現場で考えることができたというのが、今回の大きな収穫の一つであろう。もちろん、すべてが、文字化できるほどまでに、クリアーなわけではない。ただし、私は、あまり、これまで、現場に行くということをしなかったので、ここでの現場経験は、とてつもなく大きなものになっている。
もう一つの大きな収穫は、やはり、「仲間たち」との出会いであろう。「本気で生きる」ことに、真剣なみんなとの出会いは、私に、元気をくれた。気合いをくれた。もっと、もっと、もっと、もっと、もっと、頑張らなくちゃと思わしてくれた。
私は、世界をもっと平和で、豊かで、楽しくするために、世界で活躍したい。明らかだけど、こんな大きな夢や目標は、一人ではできない。このことを、私は、今回ここで出会うことができた「仲間たち」から教えてもらった。「熱いハート」を持って、たくさんの人々と議論しながら、こうした夢や目標に取り組む方が、私にとって、楽しいものであるということを気づくことができたのも、「仲間たち」の大きな存在があったからである。
ありがとう。
このインターシップは、私にとって、とてつもなく大きな経験である。私は、この経験を大切にしたい。そのためにも、高い目標を持って、「熱いハート」を持って、頑張っていきます。ありがとうございました。

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